佛立本旨講妙應寺


令和3年 新年のご挨拶

皆様明けましておめでとうございます。
昨年中は3月からお寺の門を閉ざすという、非常事態に陥りましたけれども、皆さんのご協力とご理解のおかげで、この1年間無事にご奉公させていただきました。

さて、令和3年2021年は、ちょうど日蓮聖人がお生まれになってから800年という区切りの年になります。
日蓮聖人は承久4年2月16日のお生まれです。
西暦で言うと1222年です。
ちょうど数え年というか、ピッタリ800歳になります。
当時のことを考えると、壇ノ浦で平家が滅亡してから、鎌倉幕府が滅亡するまでの150年間が鎌倉時代でした。
当時は疫病、飢饉、諸々の災難が立て続けに起こって、昔の記録を読むと、毎年のように大飢饉や災害が起こった、そういう時代でした。
それが法華経の信仰によって釈迦牟尼佛の教えに従って災害を乗り越えるという信仰を樹立なさった日蓮聖人が、一生涯を通してご奉公してくださったわけでございます。
それからご存知の通り、歴史を振り返りますと、100年後に門祖日隆聖人がお生まれになって、その日蓮聖人の信仰、教義を整備され、僧侶の理屈によって教えが曲がらないように書物をたくさん書き残されて八品門流という教義を確立して後世に伝承していただきました。
それから400年経った後に開導聖人がお生まれになって、僧侶の理屈というか、教義論争が盛んになっていた時代ですけども、そういうのに巻き込まれるとご利益を頂けなくなっちゃうので、信者が一切の理屈抜きにお題目口唱一本やりでゆく、そういう庶民のための信仰を作るというかたちで、開導聖人が日蓮聖人の信仰をまた復活させてくださったわけです。
そういうことを歴史上大雑把に振り返ると800年間には色んなことがあって、それで今日までお題目口唱の信仰が伝わってきた。

そういう事を考えると、悠久の時間の流れの中に私どももその一部分に入っていて、これをまた後世に伝えていかなければならない。
その中で私どもは自分のことだけを考えないで、法華経のお題目の御利益が次の世代に伝わってくるように伝承していかなければならない。
そういうことを考える年にしたいと考えます。

800年という区切りですから、改めてお祖師様に対するお敬いの心、各ご家庭でのお給仕、朝晩の御看経を行うという、そういうお敬いの精神を振り返らせてもらうことによって、この1年間が一層充実したものになりますように。
やがてコロナも落ち着くと思いますけれども、それまで負けないで頑張っていくためにも、お敬いの心をいま一度見つめて欲しい、そういう1年にしていただければありがたいと存じます。


令和3年1月1日
水谷日在導師

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