佛立本旨講妙應寺


寂光の道しるべ No.20教うるは学ぶの半ば

日扇聖人ご教歌
御弘通を心懸たる信者をば
人を助くる菩薩とぞいふ
「教うるは学ぶの半ば」という言葉があります。仏の教えを他人に伝えようとすると、さまざまな心得を自分も復習させられることになります。
「感謝する心で生きよ」という教えを伝えるには、自らが毎日「ありがとう」と言うのを実践することが大切です。
妙法を唱えれば生きる喜びが見つけられると伝えるには、自身が現に唱えて喜びの心で生活していてこそ、大きな影響力を与えられるのです。
つまり、仏の教えを他に伝える弘通のご奉公は、他人のためであると同時に自分の為でもあるのです。
信心の有難さを他人に伝える最も端的な方法は、応援祈願に参加してもらうことです。信者やその家族、友人などが病気になった場合に、その病気全快を願って皆で祈願を立てます。祈願への参加を呼びかける人、お寺で病気全快のための題目口唱に励む人など、さまざまな信者の協力と手分けが必要になります。
さらに大事なことは、病人本人やその家族が、その病気という現実をどう受け止めるかです。祈願をしても治るかどうか、疑い迷いの気持のままでいれば、病の苦しみを克服するのは困難です。
素直な心になって、皆さんが応援してくれてありがたい、この病気は私たち家族が信心の喜びを体験するために仏が与えてくれた試練に違いない、と前向きに受け取ることが出来れば幸いです。これが重要な鍵を握っています。そこを伝えるには、病人家族に信頼されている信者の存在も必要でしょう。
このように応援祈願は、「上求菩提・下化衆生」と言われる、仏に教えを求め、人々にそれを伝えて苦から救うという菩薩行そのものです。
病人が喜びを頂いて全快すれば、応援祈願に関わった全員が喜びを共有できます。子や孫にも応援祈願に協力してもらえば、家族も妙法口唱の有難さを知ることになります。

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