佛立本旨講妙應寺


寂光の道しるべ No.8 子孫に遺す信心は値千金

日扇聖人ご教歌
妻や子に信心をさへゆづりおかば
たからをのこし置といふもの
信心とは、生きてゆく上での様々な苦しみを乗り越える心得を教わる道です。今まで述べた内容を整理して繰り返します。
一つは、口癖のように「ありがとうございます」と言う習慣をつけて、不足を思う心を切りかえます。
今を感謝の気持で生きられれば、先々が喜びに包まれた人生になるのは道理であり、必然です。また、他人の幸福を願えれば、その喜びは更に大きなものにふくらみます。
それから、お寺参詣する習慣をつけ、損得勘定の癖がついた自分の生き方を切り替えると、身・命・財にわたる幸運が自然に身について離れなくなります。
そして、喜びの生き方をしっかりと根付かせるには、家のご宝前を中心にした敬いやお初穂の精神を、生活習慣に取り入れるのが良いでしょう。
子や孫に、より幸せな人生を送ってほしいと願わぬ親はありません。そこで多くの人が、子供に、より高いレベルの教育をつけてやりたい、出来ればより多くの財産を残してやりたい、と考えます。
しかし、必ずしも高いレベルの教育を受けさせることが、豊かな人間性につながるとは限りません。また、兄弟同士の財産分与が法律問題に発展することの多い現状を見ても、財産が幸福を呼ぶとも言えません。
結局は、子や孫が何を幸せと思う人物になるか、に懸っています。その意味で、敬いやお初穂の精神を教えてくれる信心を子孫に伝えることは、宝を遺すに等しい価値があります。信行相続は値千金です。

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