佛立本旨講妙應寺


来年度お教化ご奉公について

有難うございます、今朝は「教化」について、ご披露させて頂きます。
 一昨年はお参詣と言うテーマでご奉公させて頂き、昨年はお助行、そして今年の4月からの新年度のご奉公のテーマは、順番でお教化のご奉公となります。
 このお教化のご奉公とは、人に南○経の御題目のご本尊を御奉安させて頂き、御題目口唱の御信心をさせて頂くよう、お勧めするご奉公を言います。
 つまり仏様は人の世の有り様を、四苦八苦の人生とお説きになられておりますように、生きてゆく上での様々な苦労とか、我が身が老いてゆく、老化して衰えてゆく苦しみ、又、人間は病の器とか言われているように、病気によって苦しむと言う生き様があり、そして、最後は自分はズーット生きていたいと願っても、必ず死を迎えなければならない苦しみ、更には人間関係による憎しみ合いや、求める物が得られない不満など、際限なく存在するものであります。
 その為に、こういった苦しみの数々を乗り越えて行くようにと、仏様は、上行所伝の南○経の御題目のご信心をお説きになり、この御題目一筋の御信心によって、この苦しみに満ちた人生を、逆に喜びに満ちた生き方に変えてゆくことが出来ると、仰せなのであります。

 昨年、配布されました、「以信得入」の御利益談集に、次のような喜びの体験談が、記載されております。
 「荒樋鶴太郎は、岩崎清(せい)苔(たい)の教化によって入信した。この人は35歳だがリュウマチの痛みで、全身が不自由で困っているところに、岩崎と縁があって信心を勧められ、教えた通りに唱えれば、一週間で必ず治ると言われて決断した。一日2万遍の口唱を一週間続けて全快した。かつて医者は左眼は助けられるが、右目は見えない。腰抜けは立つだろうが、足の歩行は自由にならないだろうと、言っていた。しかし、両眼は見える、両足は不自由にならず、すっかり治った。教化の功徳はこのようなものだ。」と、あります。
 つまり、荒樋鶴太郎さんは岩崎清苔さんと会うまでは、医者と言う医者にかかりっきりになって、財産を使い尽くし困り切っていたところに、ご縁あって岩崎さんに御信心を勧められて入信した。
 そして入信して三日目頃には御題目口唱の信心によって、リュウマチの強い痛みは無くなりぐっすり眠れるようになり、約束通り一週間で全快したという事であります。そして元気になった姿を御講参詣して、お参詣の方々に嬉しげにズボンの裾をまくって両足を見せたり、又、両眼もちゃんと細い字までわかると言うところも見せたりして、御題目の御信心は本当に有難いと喜びを語ったという事であります。
 ですからこの現証の御利益談で分かりますように、信じがたいほどの御利益がいただける御信心を今、私たちはこうしてご縁によって頂く事が出来ているのですから、この尊い御信心に御出会い出来たご縁に感謝してご信心の有難いことを広く世の人達に語ってゆくことが大切なのであります。
ですからその為に、私たちは何とかお教化成就のご祈願や、正法帰入のお願いをかけて励ませて頂く、又、その為に、お寺に誘って一緒に御法門を聞きましょうとか、何とかしてこの方に御題目を唱える喜びを、伝えさせてくださいと御宝前に願ってゆくのであります。そして御題目を口に唱えることによって、どのような苦しい身の上であっても、御題目の御力によって苦難を乗り越えて、生きる喜びが頂けますよと、伝えてゆくのであります。
ですから、自分だけご利益を頂いて喜んでいるというのではなく、この喜びを他の人にも体験して頂きたいと願う信心前が、仏様のお心に叶った御信心の頂き方になるのであります。
 どうかこの共に喜びを分かち合うと言う菩薩の心が、ご奉公の上では重要な意味を含んでいるのですから、明年はぜひ人の幸せを願う信者になると言う御祈願の心を頂いて、積極的にご奉公に励んで頂ければ結構ですので、本年もよろしくお願いいたします。


令和2年1月3日
根緒泉溪師

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